以前の記事でもご紹介した「ボブ・ラザー氏」。彼の活動が30年ぶりに注目を集めていますが、改めて新しい記事がトカナで紹介されていましたのでご紹介いたします。
<TOCANAより転載>
疑惑の“エリア51”に勤務しエイリアン技術による航空推進装置を開発していたというボブ・ラザー氏に再び注目が集まっている。公には黙殺され、なんと出生記録も抹消されているラザー氏の言葉に、今だからこそ耳を傾けるべきであるというのだ。
■ボブ・ラザー氏の“エリア51”暴露発言
2017年末にペンタゴンの“本物のUFO動画”がリークされ、その後アメリカ当局が事実上、UFOの存在を認めることになった現在、世のUFOに対する認識は様変わりしている。今やUFOは「いる、いない」や「信じる、信じない」という素朴な疑問を生じさせるものではなく、情報収集が必須の国家インテリジェンスになっているのだ。
こうした事態を踏まえて、かつて“エリア51”に勤務していたというボブ・ラザー氏に再び脚光が当たっているようだ。
昨年に出版されたボブ・ラザー氏の自伝『Dreamland: An Autobiography』によれば、ラザー氏はマサチューセッツ工科大学を卒業後、国立ロスアラモス研究所に就職し、1982年にある出会いをきっかけにあの“エリア51”で研究員として勤務することなったという。
エリア51内にある「S-4」と呼ばれる部署に配属されたラザー氏はUFOの推進装置をリバースエンジニアリングで再現して開発する研究が任された。そしてUFOとエイリアンに関する機密情報の数々を知ることになった。
S-4での仕事はストレスフルな長時間労働であったという。身の危険を感じる作業もあったということだ。
心労のストレスもあったのか、彼は極秘事項であるS-4での勤務の内容をある日、妻と親しい友人たちに話してしまった。疑う友人を施設近くに連れていき、試作機の“UFO”の飛行テストの様子を見物させたのである。
このラザー氏の行動を知った上層部は激怒し、この後ラザー氏は職場に身の置き所がなくなり失職することになる。
物理学者としてのキャリアを台無しにされたラザー氏は、1989年にCBSテレビの番組に出演し、一連のインタビューでエリア51で何が行われいるのかを暴露し、世に衝撃を与えたのだ。ちなみにこの時点でラザー氏の出生記録をはじめ、大学の卒業者記録、ロスアラモス研究所とS-4での在籍記録などが抹消されていたという。
ラザー氏の衝撃の暴露はゴシップ的な話題を呼んだものの、当局筋からは黙殺され、一方では学歴詐称を指弾されて信用を失墜させられる形の攻撃にさらされた。こうしてラザー氏の言説は封殺されていったのだ。
■UFO案件の貴重な“ツアーガイド”
長らく“過去の人”になっていたラザー氏だったが、転機が訪れたのは2018年であった。ラザー氏のドキュメンタリー映像作品『Bob Lazar:Area 51 & Flying Saucers』がネットフリックスで公開されたのだ。作品にはラザー氏本人も出演し、S-4での勤務で知り得たことや、政府が隠蔽しているUFOとエイリアンの情報、そしてラザー氏に仕掛けられた政府の謀略について再び口を開いた。
また昨年には自伝『Dreamland: An Autobiography』を出版し、口頭では伝えきれない細部についても彼自身の言葉で書き綴っている。
そして今回、カナダ紙「トロント・スター」のウェブメディア「The Star」の記事では「世界は彼に謝る責務がある」と、ラザー氏を正しく再評価しなければならないと提言している。彼の発言はすべて正しいというのである。
記事を執筆したビナイ・メノン氏によれば、ラザー氏の暴露証言についてこれまで誹謗中傷の声は上がってきたものの、その内容に具体的に反論する言説が一切ないことを指摘している。また、最近になってこそ映画や自伝がリリースされたものの、暴露発言を行っていた当時、ラザー氏はこの発言でマネタイズしようという意思がまったくなかった点も発言の信ぴょう性を高めていると説明している。
そしてUFOに対する世の認識が変わった今日において、再びラザー氏の言説に注目する必要があるとメノン氏は主張しているのだ。今後のUFO案件についてラザー氏は貴重な“ツアーガイド”になり得るというのである。
長い不遇からようやく“放免”されたかのような感もあるラザー氏なのだが、例えば今後はトム・デロング率いる民間UFO研究組織「TTSA(To The Stars Academy of Arts & Science)」などと横の連携を行うことで新たな展開が見えてくるのかもしれない。
参考:「Daily Star」、ほか
文=仲田しんじ